危険ナ香リ


 そりゃ、恥ずかしいけど、でも抵抗したら帰らなきゃいけない気がした。


 それに、こんな形でも、触れられるのは嬉しい。


 でも……このままどうなっちゃうのかを考えると、不安だった。


 ドキンドキンと血液を波立たせ、舐められる度にくすぐったくてゾクリとして、なんだか勝手に涙目になる。


 こんな状態のあたしを追い詰めるように、佐久間先生の唇が首筋を上がって頬に触れた。


 ……っ、わー!!


 今の、舐められるのより恥ずかしかった!


 普通逆なんだろうけど、慣れていない行動だったから、あたしは頬に触れられる方が恥ずかしく思える。


 真っ赤な顔して至近距離にある綺麗な顔を見つめた。




「……清瀬。ちゃんと、危機感持ってくれてるか?」




 ……危機感ってゆうか、恥ずかしさなら感じてます。


 口をふさがれているあたしがそんなことを言えるわけもなく、ただ目だけで訴えかけた。


 すると、それをどう受け取ったのか、佐久間先生はため息をはいた。




「なんか、俺が汚れてるように思える……」

「……む?」

「純粋すぎるんだよ、お前は。……頼むからもう少し汚れろ」

「む!?」




 年頃の女の子に向かって、“汚れろ”なんてひどいっ。


 汚い状態なんてやだよ。

 お風呂毎日入って体洗わなきゃ気持ち悪いよっ。




「……それとも、俺が汚した方がいいのか?」




 どうゆう意味か、いまいちよくわからなかった。


 とりあえず、泥を塗るとか、そうゆうのはしてほしくはないと思った。


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