危険ナ香リ


 あまりの力強さにビクッと肩を震わせて、動きを止めた。


 見下ろしてくる、力強い意志を見せる2つの瞳に、あたしはもう一度、身の危険を感じた。




「黙ってろよ。そんで俺の家に来い」




 ……笑ってる、けど、怖い……。


 さっきドアの前で感じた危険と、今感じている危険。


 同じ“危険”だけど、今感じるのは“恐怖”からくる危険。


 だからなのか。






―――― 祐。






 心の中で、助けを求めていた。




 ……だけど。

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