危険ナ香リ


 じゃあ“あたし”は、あたしをどう見てるの?


 少なくとも、いい想いを抱いてはいないだろうな。


 あたしが、美咲ちゃんに対してそうだったように。


 ……嫉妬や劣等感ばかり感じていたんだろうか。


 なら、あたしを好きになれるわけなんか、ないよね。




「恭子は、あたしが今までどんな想いをしてたか、知ってるの!?」




 じゃあ、柚乃ちゃんがあたしに好きな人を言わない理由はなんだろう。




「どんな想いで、今まで恭子と接してきたか……!」




 今、柚乃ちゃんにとってのあたしは恋敵に匹敵する存在だ。


 ……それは、あたしが美咲ちゃんに対してそう思っていたように。




「あの恭子の誕生日の日から、あたしがどんな想いで恭子を見てたか……っ」




 ああ、分かった気がする。






「―――― あたしのこと、“ズルい”って思ってる?」






 あたしが美咲ちゃんに対して、そう思っていたように。




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