危険ナ香リ


 ……感動した。


 柚乃ちゃんがそう思ってくれてるなんて、すごく嬉しい。




「……柚乃ちゃ」

「それに、佐久間先生となにかあったからそんな風になってるんでしょ?なにがあったのか、知りたいなー」




 ニヤニヤ笑いだした柚乃ちゃんを見て、あたしはぽかんと口をあけた。


 ……つまりは、野次馬みたいな感じなのかな。


 ……むう。なんか複雑だなぁ。


 なんて考えがバレちゃったみたいで、柚乃ちゃんが小さく吹き出した。




「まあ、本音は恭子の役に立ちたいってことだからね」




 本当かな?なんて考えるより先に笑みがこぼれた。


 だって、嬉しいんだもん。


 ついついにやけていると、柚乃ちゃんがあたしから手を離した。




「で?なにがあったの?」

「……えと、誰にも言わないでね」

「うん」

「あのね」




 2人だけしかいないのにも関わらず、あたしは柚乃ちゃんの耳に近づいて小さく声を出した。


 そして、あたしが昨日祐に振られた後に佐久間先生の家に行って話をしたことから、その後のことまで、事細かく話をした。


 キスの話までいくと、柚乃ちゃんはビックリしたような声をあげた。




「て、ゆうわけでして……」




 なんて言葉で締めくくって、柚乃ちゃんから離れた。


 気恥ずかしくて、きちんと正座をした。


 ……柚乃ちゃんは、あたしを見てぽかんと口を開けていた。


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