危険ナ香リ
……なんだか、あれだけ動いていた心臓が落ち着いてきた。
落ち着くと、このまま寝ちゃってもおかしくないぐらい心地いい温かさに気づいた。
やっぱり、佐久間先生に抱きしめられると安心する。
「……意外だな」
「え?」
思わず顔をあげると、今度は押さえつけられずにすんなりと顔を持ち上げることができた。
すると佐久間先生としっかりと目が合った。
「怒鳴られるかと思ってたのに」
「え?」
「……まさか気づいてないとか言うなよ」
「え?」
「……お前本当に気づいてないのか?」
“有り得ない”と言いたげなその瞳を見て、首を傾げた。
だって本当になにを言っているのか分からないんだもん。
なんて思っていると、佐久間先生が小さくため息をはいて、あたしの首筋に指をくっつけた。
「……キスマーク」
……ん?
ああ!!
そ、そうだよ!キスマークつけられてたんだよ!
ってゆうか、あたしキスされてたんだよ!
佐久間先生に言われて、顔を一気に赤く染めたあたしは、その後すぐに勢いよく佐久間先生の胸に顔をうずめた。
恥ずかしすぎて、顔が見れない……。
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