危険ナ香リ

　パッと、今考えていたことをすべて手放すとほぼ同時に、佐久間先生の背中が横にズレた。


　とゆうか、突き飛ばされた、って言った方がぴったり当てはまる。


　そして、それを確認するやいなや、あたしの体にドスンッと衝撃がやってきた。




「いーやーっ！！本物！？マジ物！？よくやったエセ教師！褒めてつかわす！」

「いって……」

「は、え、わ、うあ！？」




　１人はなぜか分からないけれど大興奮の様子で。

　１人は突き飛ばされた際に壁に肩をぶつけたらしく痛みに苦しんでいて。


　そしてあたしは、いきなり現れたその人に、いきなりキツくてアツーイ抱擁を受けていた。


　なっ、なんであたし、いきなり抱きしめられてるの！？




「うわあっ！ちっちゃい！かわいー！」




　あ、頭がついていかな……っ。


　それに、む、胸が当たってますけども……！


　顔を真っ赤にしながら、抜け出そうともせずに固まるあたしに、美波先輩は容赦はなかった。


　どんどん強まる拘束に、痛みと息苦しさを感じていく。


　て、てゆうか、先輩の大きい胸が当たってますって……！！




「そろそろ止めとかないと、窒息死するぞ」




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