危険ナ香リ




「でも」

「いいじゃないですか。あたし達も勉強しますよ」

「でも」

「知識はいくら持ってても無駄にはならん!バイ校長」

「……ああ、そういえば、集会でそんなこと言ってたわね」




 あたしはどうして佐久間先生を好きになっちゃったんだろう。


 あんな変態養護教諭を、どうして……。


 ってゆうか、変態ってゆうか不良ってゆうか、ロリコンってゆうか、女たらしってゆうか。


 って、そういえば、佐久間先生はロリコンなわけだから……じゃあ今付き合ってるカノジョは一体何歳?


 まさか中学せ……なわけないか。


 じゃあ高校生?




「ってなわけで、校長もそう言ってたわけですし、あたしらと一緒に図書館行ってお勉強しましょうよ」

「そう言ってくれるのはありがたいけど……柚乃、大丈夫?」

「へ?」

「前に言ってたじゃない。“勉強すると頭痛くなるから勉強なんかしない”って」

「……そ、空耳ですよっ」




 高校生だとしたら、あたしと同じ年とか一個下とか一個上とか?


 ……なんか、大人で色気ムンムンの人に負けたならまだ傷は浅くすみそうだけど、自分と近い年の人に負けたとなると……なんか、傷の深さが倍になった感じ。


 い、いやでも、ロリコンだとしても、実際付き合ってるのは大人かもしれないよねっ。


 実は年上と付き合ってるかもしれないよねっ。


 ……もしかしたら、佐久間先生は、ロリコンじゃなくて熟女好きかもしれないしね。




「とにかく!勉強しますよ!ね?恭子っ」

「……はあ」

「え?ちょ、なんでため息?」




 もう、考えるの止めたい……。


.
< 365 / 400 >

この作品をシェア

pagetop