危険ナ香リ





「え。帰さなきゃだめなの?」




 帰すつもりはなかったらしい美波先輩の恐ろしい言葉を隣で聞いた。




「当たり前だ。バカ」

「バカとはなによ。このエセ教師」




 ギッと佐久間先生を睨む美波先輩と、それを受けながす佐久間先生。


 そんな2人を見て、ふと疑問を感じた。




「あ、あの」

「なぁに?恭子ちゃん」




 声の色と表情をコロッと変えた美波先輩を見て、恐る恐る口を開いた。




「先生と先輩は、本当に恋人同士、なんでしょうか……?」




 その質問に、佐久間先生は飲んでいたお茶で蒸せてせき込んだ。


 そして美波先輩は、ビックリしたように目を丸くして瞬きを繰り返した。

 そして次には、心底嫌そうに顔を歪めた。






「……あたし、こんなのが彼氏だなんて嫌よ」






 え? え? え!?


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