危険ナ香リ
な、なんで!?
2人は恋人じゃないの!?
ならなんで同棲してるの!?
「違うんですか?」
「当たり前よ」
「当たり前だ」
見事にハモリを聞かせた2人は顔を見合わせて、複雑そうに顔をそらした。
「お前が暇さえあれが保健室に来るから、こんなバカげた噂が飛び交うんだ」
「なによそれ。毎日お弁当作ってあげてるの、どこの誰だと思ってるのよ」
「俺は頼んでない」
「じゃあコンビニでオニギリでも買ってればいいんだわ!ジリ貧生活おくってなさい」
なんだろう。なんなんだろう。この会話。
まるで痴話喧嘩だ。
口をぽかんと開けながら次々と出てくる言葉を耳に入れていくと、しばらくして2人の会話は止まった。
2人して、頬杖をついてそっぽを向いている。
「……清瀬。言っておくがこいつと俺はお前が思ってるような関係じゃないからな」
……違うの?
まだまだ疑いの目を向けるあたしを見た佐久間先生はため息をひとつはいた。
「こいつはな、俺の従妹なんだよ」
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