危険ナ香リ





 ……イトコ?




「それって、あのイトコですか?」

「他にどんなイトコがあるってゆうんだ」

「バカな恭子ちゃんも可愛くて素敵よ」




 いや、あの、ええ!?


 なにをどう口にしていいかわからなくなってしまった。属に言う混乱状態だ。


 ……とりあえず、佐久間先生はロリコンでないことが発覚したことを後で柚乃ちゃんに報告しておこう。




「ちょっと訳ありでな。俺が面倒みてんだよ」

「その上から目線、腹立つ……」




 つまりつまり。


 佐久間先生と美波先輩はイトコって関係で、同棲ってゆうより同居で、付き合ってはなくて。




 ……なんであたし、こんなに一気に佐久間先生事情に詳しくなっちゃったんだろう。




「っと。おい美波。そういやお前飯作ってるか?」

「なによ急に。あたし今日は消臭スプレー撒くのに必死だったからご飯なんか作ってないわよ」

「……清瀬。悪いな。お礼に飯食わせるつもりがだめになっちまってた」

「ええ!?恭子ちゃんがあたしの手料理食べてくれるの!?それを早く言ってくれてればよかったのにっ」

「うるさい少しは黙れ。清瀬。家まで送るから、もう帰りなさい」

「うわ。教師面してやがる」

「俺は教師だ」




 流れるような会話に、あたしは口を挟む隙なんかなかった。


 ただ、流れに身を任せるだけだった。

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