危険ナ香リ
「せ、先生のバカぁ!セクハラで訴えてやる!!」
「触っただけで大袈裟な……」
「触っただけじゃないもん!今あたしにキスしようとしてたじゃないですか!」
すると、なぜかピタリ、と動きを止めてこっちを向いた佐久間先生。
すると数秒もしないうちに、また笑い出した。
な、なんかあたし、もしかしてバカにされてる?
「お前、なに変な妄想してんだよ」
へ?
「生徒にキスなんかしないっての。ただ上向かせただけで……!ガキのくせに、そうゆうことは期待してるのかよ」
え!? え!?
もしかしてあたしってば、勘違い!?
ボッと火が灯ったように顔を真っ赤っかに染めると、後ろからクラクション。
どうやら、ようやく青信号に変わったようだった。
「あー、おかしい」
……全然面白くなんかありません……。
あまりの情けなさと恥ずかしさでうつむくことしかできないあたしだった。
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