危険ナ香リ





「なんでか目覚ましが5時にセットしてあってさ、わざわざ5時に目ぇ覚ましちまったんだよ。んで二度寝したら今度は寝坊してさ……。1日の体力、使い果たした」

「お、お疲れ様……」




 顔、何かついてたりしてないよね?

 声、裏返ったりしてないよね?

 変なとことかないよね?


 ……どうしよう。


 あたし、ただ話してるだけなのにこんなに心配しちゃってる。






 ……それに。






 カタン、と隣の椅子を引っ張って、わざわざあたしの近くに腰を降ろした彼に視線を向けると、少し額に汗がにじんでいた。


 寝坊したって言ってたから走って学校まできたのかも。


 それによく見たら寝癖もついてる。


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