危険ナ香リ
ぺろり、と耳を舐められて、思いっきり体を震わせた。
な、ななな、なにす……!なにして……!!
「ははっ。やっぱ、お前をからかうのは楽しいな」
パッと腕が離れていったと同時に、佐久間先生から勢いよく離れた。
するとガツンッと壁にぶつかり、頭を打つ。
……痛い……!
そんなあたしを見て、佐久間先生は笑ってばっかりだった。
「……セクハラっ」
舐めた。耳舐めた。
顔を真っ赤にしながら目には涙を浮かべて、そんな状態で睨んでも効果なんて期待できそうになかった。
現に、佐久間先生は笑いながら、あたしを見ていりる。
「タバコくさいっ」
「だってタバコ吸ってるからな。仕方ない」
「スケベ」
「男は誰だってそうだろ。お前の幼なじみの古川だってそうだよ。ベッドの下探してみろ。ガキには刺激が強い本がおいてあるぞ」
「……っ、ばか!」
「お前よりはバカじゃない」
何も言い返せなくなって、悔しくなる。
せ、先生なんか嫌いだ!
「にしても清瀬。反応はまあまあ良かったけど、次はもっといい声で鳴けよ」
―――― セクハラ発言!!
「先生のばかーっ!!」
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