危険ナ香リ



 あたしは本当にバカだった。


 幼なじみから、好きな人へと変わった途端に祐との接し方が分からなくなって。

 しかも祐の前にいると、自分の姿が祐の目にどう映っているのかが気になる。


 過剰なほどに、あたしは祐の目を気にした。




 そんなあたしを飛鳥くんはどう思って見ているんだろうか。


 たまに目が合う彼の気持ちを考えてみるけれど、そうゆう能力が“欠けている”あたしには当然のように分からなかった。







 その日の放課後。


 保健の授業で課題として出されたレポートを書くために、図書室にいった。


 図書室はあたしの他には図書委員1人しかいなくて、なんだか寂しい。


 と、思っていたら。




「あ。清瀬」




―――― まさかの佐久間先生の登場。




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