危険ナ香リ




「離して、くださ……!」

「どうしよっかな」




 うーっ。もう、くすぐったすぎるよ!


 何度も身をよじって、なんとかして逃げようとするけど、うまくいかない。


 本当に泣きたい……っ。




「ひゃっ」

「へぇ。目、つぶってても気配は感じるんだ」




 顔のすぐ横に気配を感じて体を震わせる。


 佐久間先生の声がすぐ近くまできていて、ドキッとした。


 ま、前にも、顔近づけられたことがあるような。


 はっ! もしかして、また耳舐められるんじゃ……!?




「や、やだ。舐めな……」

「舐めて欲しい?……残念」




 え?

 ざ、残念て、なにが?


 なんて疑問を感じた直後。




―――― パクリと、耳を甘噛みされた。




「っ、あ」




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