危険ナ香リ

　……っ、へ、変な声でた……！！




「耳真っ赤……」




　追い討ちをかけるかのように囁かれたその声に、勢いよく体を引いた。


　すると、佐久間先生の腕にぶち当たる。




「へ、へんた」

「逃げるなよ」

「んっ、や、やだ」




　ぶつかった腕があたしを引き寄せて、佐久間先生が首筋に顔をうずめてきた。


　あまりのくすぐったさに身を固める。


　こんなに、誰かを近くで感じるのは初めてで……どうしていいか分かんない。




「舐めて欲しいんだっけ」

「っ、」




　ぺろりと首筋を舐められて、また変な声が出そうになって唇を噛んだ。


　な、なんでこんなことになったんだっけ。


　だんだんエスカレートしていっているような気がする佐久間先生の行動に、疑問を感じた。


　だけどその疑問も、くすぐったさで消えていく。


　……それだけじゃなくて、なんか、体が熱くなってきた。


　戸惑いながら佐久間先生の肩を押した。




「お、ねが……も、やめ……っ」




　呼吸が浅くなった気がする。


　背筋を這う、ゾクリとした感覚に戸惑いながら、そう感じた。






「変なことはしないでくださいと言ったはずですよ。変態教師さん」






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