危険ナ香リ
だって、今日は魔の一週間。
そう、保健室掃除の日なんだ。
でも、そんなことどうでもいいと思えるくらい、あたしの思考は暗く淀んでいた。
「ちょっと待って、清瀬さん」
今日は、よく呼び止められる日だなぁ。
階段を降りようとした時、後ろから声が聞こえて、振り向きながらそう思う。
あたしを呼び止めたのは、なぜか分からないけど、飛鳥くんだった。
飛鳥くんはあたしと視線を合わせると、すぐに片手に持っていたそれを差し出した。
「……これ、なに?」
ピンク色の小さな紙袋。
ああ、これ、前に柚乃ちゃんが言ってたショップの袋だ。
「誕生日プレゼント」
「え?」
「って、祐が言ってた」
―――― 祐。
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