危険ナ香リ
それから、あたしは飛鳥くんとお別れをして、上機嫌で保健室に向かった。
その間、もらったプレゼントはしっかり両手で持っていた。
「失礼します」
そう言いながらドアを開けると、白衣姿の佐久間先生がこっちを向いた。
佐久間先生は、仕事中に眼鏡をかけているらしく、今も眼鏡をかけていた。
……プラス、タバコも吸っていた。
「また1人か」
そう言いながら、タバコを携帯灰皿に押し付けた佐久間先生。
「……学校内は禁煙です」
「窓開けてるから大丈夫だ。あと、消臭スプレーも昨日買い替えた」
「そうゆう問題じゃないと思います」
タバコくさい。
もう、やっぱりヤダなあ、保健室掃除。
消臭スプレーを部屋中に振りまき始めた佐久間先生を横目に、さっさと終わらせようと中に入って掃除用具を取り出す。
「お。貰い物か?」
掃除用具を取るために、一度ピンク色の紙袋を近くにあったベッドの上においた。
すると、あたしがモップを取り出している間に佐久間先生が紙袋を持ち上げていた。
「男から?清瀬って意外とモテるんだな」
「か、返してくださいよぅ!」
慌ててタバコくさいのを我慢して取り戻しにいくと、避けられた。
手を伸ばせば、紙袋が上へ持ち上がる。
あたしの小さな身長じゃ、大きな佐久間先生には届かない。
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