snow flake〜罪な恋に落ちて〜


「すぐにメールするよ。けど、返さなくていいから。俺、姫が追いかけてきてくれただけで、奇跡だと思うから…本当、嬉しいよ」


髪に触れるしなやかな指。



想いが溢れて、そこから全てが伝わればいいのに…

私の想いが全て届けばいいのに…





このまま、彼には、一生会わないから、


神様、

少し、

ほんの少しだけ、


許して下さい。




髪に触れる手に手を重ねて椿を見つめる。

「今日、すごく楽しかったよ。ありがとう。私ね、最近、いろんな事あって正直落ち込んでたんだ…。でも、椿のあっかい笑顔に救われた気がしたの」

気持ちが抑えきれなくて、泣きそうになる。



「私、椿の笑顔が大好きだよ!椿、私ね…」
「姫、待って!!」


一番伝えたいのに…



「遮ってごめん。でも、姫が今、言おうとしてる事が、俺の思ってる事だったら凄く嬉しい…けど、もしそうだったら…言っちゃダメなんだ」


子供をあやすような口調で、優しく語られた言葉はあまりにも残酷な現実。




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