snow flake〜罪な恋に落ちて〜



その先を言ったら、


言ったら、きっと俺達は二度と会えない。

俺達には、許されない未来しかこないよ…


だから、それは言っちゃダメだ。


姫には彼氏いるだろ?

俺は“友達”になるから。



姫、悪者になるのは俺一人で十分だよ。


――――姫はそのままで居て?






それが椿の精一杯の優しさだと思った。

自分ではなく、私と、私の未来の為に彼は自らの想いを犠牲にしたんだ。


寂しそうに目を伏せる。

長い睫が悲しみに揺れる。





私は心の奥にしまって、鍵をかけた。



この想いが、溢れて、2人一緒に沈まないように。




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