snow flake〜罪な恋に落ちて〜

帰宅すると灯りが着いてて、樹はまだ起きていた。


今は顔を合わせたくなかった。

全てを見透かされてしまいそうで…


私は最低だ。



案の定、帰りが遅い事や、ドコで飲んでいたか、伊織以外の人物がいたか、詮索をされた。


平然と用意しておいた答えを返す。

訝しげな視線を交わすように、バスルームへ向かう。



すれ違い様に樹の顔が綺麗に歪んだ。


「俺以外の男の匂い、つけて帰ってくんじゃねぇよ」

紡がれた言葉は、全てを理解し、次はないと宣告されたみたいだった。



聞こえない振りをした。


「ん?何か言った?」


「なんでもねぇよ…、俺は寝る」


彼はそのまま寝室に消え、室内は静寂に包まれた。


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