snow flake〜罪な恋に落ちて〜
帰りの遅い日が増えるにつれて、甘い百合の香りも強くなった。
それと同時に、
求められる事もなくなった。
結果的には良かったのかもしれない。
彼と共に過ごす夜は、一時の快楽と引き換えに後悔しか残さないから。
それなのに、
私は百合の香りになぜか嫉妬した。
自分のやってる事を棚に上げて、本当に最低だとわかってるのに。
その香りに心がひどく痛んだ。
でも、それ以上にそんな気持ちを抱く自分に腹が立った。
そうやって、互いに秘密を重ねて私達は付き合い続けた。
あの日までは――――…
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