snow flake〜罪な恋に落ちて〜

時間が遅いからか、店内はとても賑わっていた。

その証拠に席についてないホストなど1人もいない。
席を移動がてら私の顔を覚えてくれたホストが何人か声をかけてくれる。

まだ、どうに接したらいいか分からず、とりあえず笑っておいた。



琥珀さんには会えたけれど、忙しそうなのが見て取れて、座って話もできなかった。
今日も仕立ての良いスーツを着こなし、優雅に歩く姿は惚れ惚れする。

さすが、No.1だ。


けれど、もっとちゃんとお礼が言いたかった。
伊織からも伝えてもらえるようにしよう。


フロアの奥まった席に通された。

飲み物を聞かれ、とりあえずビールを頼む。
しばらくは恋クンが相手をしてくれる。

私は1人でも待ってられるのに、琥珀さん命令とか言って、私が1人にならないように気を遣ってくれる。

とことん優しい恋クン。

金曜日だし、私が居なければ恋クンだってお客さん呼べたのに…




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