snow flake〜罪な恋に落ちて〜
思った事が顔に出たらしい。
「椿、遅いなぁ…、電話してみる?」
一瞬、顔を曇らせた私を恋クンは見逃さなかった。
自分の腕時計を確認しながら、携帯に手をかける。
椿の事だと勘違いしてるみたいだけど。
あえて否定はせずに応えた。
「ううん、もう少し待って来なかったら…」
「つーばーきッ!!だっこして?」
―――――――!!
突然、店中に響く高い声。
声のする方を振り向けば、可愛い女の子と腕を組み店内に入ってくる椿が目に入った。
「あンのバカッ!!」
隣に座る恋クンが小さく呟く。
2人はそのまま、私達とは離れた席に座った。
店内の照明が暗い事もあり、椿は私に気付かなかったみたいだ。
向こうからは見えないけれど、私の座る位置からは2人の様子がイヤと言うほどよく見える。
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