snow flake〜罪な恋に落ちて〜
シャンパンコールが終わると椿は元居た席に呼ばれる。
「すぐ戻ってくるから、今日は絶対に帰るなよ?」
笑ってたけど、目は真剣だった。
しっかりと頷き返す私を確認すると、私の頭を撫でて席を離れた。
子供をあやすような仕草に、なんとも言えない気持ちになった。
(私の嫉妬みたいな気持ち分かっちゃったのかな…)
同伴してきた女の子が帰るみたいで、近くまで送るようだった。
すると、携帯が振動する。
メールの受信で確認するも、顔から火が出るかと思うほど恥ずかしくなった。
急いで携帯を閉じる。
返事は返せなかった。
隣で恋クンが怪訝な顔をしてる。
「今日こそはこの前の続き、しようね?」
そんな椿のメールに赤面したのもつかの間、今度は電話がかかってきた。
ディスプレイには“樹”の表示。
出ないわけにはいかなかった。
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