snow flake〜罪な恋に落ちて〜



「ぁぁ〜、だって俺、ホストだもん。店に生けてあるのくらい知らないと仕事にならないでしょ(笑)」


「…あ、そうですか…(笑)」


当たり前みたいな椿に言葉が出ない。

どこまでこの人は完璧なんだろう(笑)

少しくらい弱点がないものか、真剣に考えてしまう。


最初は花が変わる度に調べて、そのうち代表的な花言葉は暗記したらしい。
お客さんとの話題作りに花言葉はもってこいだと椿は笑った。


「花が嫌いな女性なんて、普通いないでしょ」

そう言われて、頷くしかなかった。



「さてと!姫、そろそろ出よう」


周りには片付けをしていたホストが数名、ソファーに横になっている以外誰もいない。


みんな帰ってしまったようだ。



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