snow flake〜罪な恋に落ちて〜



身長差のある私達だから、椿の顔は私の目線よりも遥か上。

添えられた指先はスッと唇をなぞって離れていった。

ぎゅっと、一段と強く抱きしめられる。

ドコを見てるか分からないけど、椿はとつとつと話し出した。







姫、ごめん。


俺、あの日店に来た姫を見た瞬間、好きになった。

これを、一目惚れってゆーのかな?



『クスッ』と笑いがもれた。



正直、最初は外見だった。

俺の好みそのままの人だったからさ。


けど、話をするうちに外見以上に、姫自身に惹かれた。



そう言って、髪と額に一つずつ、キスをくれる。


私はその気持ちに少しでも応えたくて、彼のシャツをぎゅぅっと握った。

気配で、微笑んだのが分かった。




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