snow flake〜罪な恋に落ちて〜
「…ッ、姫…やらし…」
囁き、耳たぶを甘噛みして椿は妖艶に微笑んだ。
私はといえば、やっとの事で解放され必死で空気を吸う。
肩で息をする私を可笑しそうに見つめる椿を睨んだ。
「もぉぉ〜〜ッッ」
なんてコトバにしたらいいか分からない。
キスしてくれるのは嬉しい。
でも、あんなのは…反則だ。
しかも、お店だし…
ごちゃ混ぜの気持ちを込めて、
「いぢわるッ!!」
叫ぶ私にもまったく動じない椿の笑顔は一切崩れない。
首を傾げる椿からは、
「??」(なんで怒ってるの?)
そんな心の声が聞こえてきそうなくらい。
額に手をやり、半ば諦めに似た気持ちさえ抱いてしまう。
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