snow flake〜罪な恋に落ちて〜
「――――うん。ずっと居るよ」
聞こえるかは分からない程小さな声で応えた。
今度は返事の代わりに穏やかな寝息が聞こえた。
久しぶりに感じた満ち足りた時間。
“幸福”と呼ぶには大げさ過ぎるかもしれない。
それでも、樹と出会ってからの毎日は今までとは明らかに違った。
捕らえられたのは体か、心か、
それとも、私の生きる道そのものか。
関係を持っていた男を全て切った。
私の生活は彼を中心にまわり始めた。