snow flake〜罪な恋に落ちて〜



通りに出ると、手を上げて流しのタクシーを止める。


有無を言わさず乗せられる。


細かい住所を運転手に伝え、間もなく椿は眠りに落ちた。

行き先は結局、聞けないまま。



無線の音と、遠ざかる街の騒音。


この空間には不釣り合いなくらい規則正しい寝息が聞こえる。



子供のように無邪気な寝顔。


なんでもない顔してたけど、同伴で疲れたんだろうな…。


なめらかな彼の頬に軽くキスをして、私も自然と目を閉じた。







ねぇ、椿?


私の全てを知っても、それでも変わらず、


愛してくれますか?




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