snow flake〜罪な恋に落ちて〜
椿も隣に座った。
少し距離をあけて。
一口、コーヒーを飲んで小さく息を吐く。
カップを置くと、ガラステーブルとふれあう音が響く。
「……私、話さなきゃいけない事があるの。少し長くなっちゃうかもしれないけど…、聞いてくれる…?」
椿に向き直り、両手を膝の上で重ね、ぎゅっと握る。
「うん、姫の話なら喜んで…そんなに力いれると姫の綺麗な手に傷ついちゃうよ?」
椿は柔らかく微笑んで頷いてくれた。
握り合わせた私の両手を、暖かい手で包んでくれた。
そして、ゆっくりとそれを解き私の左手と椿の右手は重なり合った。
そんなさり気ない優しさに、涙が溢れそうになるのをグッと堪えた。
椿のぬくもりを感じながら、私は一つ一つ言葉を探しながら話し始めた。
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