snow flake〜罪な恋に落ちて〜

幾度となくケンカをした。

似たような性格のせいか、納得できない事に対しては一歩も譲らなかった。

ただ、衝突し合いながらも、離れる事はなかった。


それは、自分の一番奥、
誰にも分からないように隠した本音に、気付き理解しあえたからかもしれないし。

一緒にいて楽だから。

そんな単純な理由だったかもしれない。



それでも、今までにはなかったくらい、
ただ一途に想い合った。

愛し方も伝え方もまったく違ったけれど。

23歳の私も。
21歳の樹も。







―――出会ってから二度目の冬。


それは、

私にとっても、
多分、樹にとっても、
一生忘れない。

いや、
忘れる事なんて許されない季節。
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