snow flake〜罪な恋に落ちて〜

最初は季節性の風邪だと思った。

微熱と若干のだるさに吐き気。

仕事を休むわけには行かず、重い体を引きずって会社に向かった。


出社して、日課のようにスケジュール帳に目を通す。


今でこそ、真面目に仕事をしてるけど、
学生の頃には考えられない事だった。

男と酒。
飛び交う大金に感覚が麻痺していくようで、不思議な世界に私は生きていた。


そんな事を思うなんて、

(私も年とったな…)

自嘲めいた私の目に写るカレンダーに、
ふと、予感がした。

体調の変化は風邪なんかじゃないと。
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