snow flake〜罪な恋に落ちて〜

はっきりと「縦」のラインを示すそれを私はただ見つめた。

次に携帯を開いたところで指が止まる。

小刻みに震える指。


カラカラになった喉が水分を欲し、携帯を再び元に戻す。

お茶を飲み渇きを潤した。


緊張してるのは嬉しさからだと思った。


長いと感じた呼び出し音も、実は3回くらいかもしれなかった。
続いて、いつもより少しだけ丁寧な口調で話す声が聞こえた。


仕事先の人と一緒のようだ。

私は手短にでも、はっきりと事実を伝えた。

平静を装ったけれど、震える指先のせいで付けていたストラップが¨チャラチャラ¨と音をたてる。


少しの沈黙の後、

「‥…、分かりました。今後の事は後程」

他人行儀な返事が返ってきた。

瞬間、とてつもない不安に襲われた。
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