snow flake〜罪な恋に落ちて〜
Ⅰ―痛み―――――
激しい吐き気に襲われ、重い瞼を開く。
最初に映ったのは、見慣れぬ無機質な天井。シミ一つない、青白い壁。
(真っ白できれい…)
なぜか、そんな事を思い、
(私とは違うな…)
なんて、ふと思う。
罪を犯した私とは違う、
汚れなき白。
なぜこんなところにいるのか。
自分自身に問いかける。自分で決めた道なのに。
気怠い体、ひどい頭痛…
こみ上げる吐き気に、思考は中断。
苦しさに横を向き、次に視界に入ったのは私の手を握り眠る金髪の男。
私と共に罪を犯した男。
「……、悪りぃ、。寝た。…苦しいか?看護士呼ぶ?」
むくり、と起き上がり私に声をかける。
声を出すのが億劫で、少しだけ首を動かし『大丈夫』と唇だけで伝える。