snow flake〜罪な恋に落ちて〜
誰もいなくなった病室。
本当に誰もいなくなった。
私、1人だけ。
そう思うと寂しかった。
私に残ったのは、後悔と孤独だけ。
目覚めた時は茜色の病室も今は薄暗く、ひどく物寂しい。
冬の訪れを感じさせるように、日が落ちるのは大分早くなった。
少なくとも、今日を迎えるまでには、お互い一生分と言ってもいいくらい泣いた。
たくさん悩んで苦しんで決めた事だった。
着てきた服に着替えながら、
病室を出たらもう泣かない。
なんて、子供じみた誓いを立てた。
病室の外で樹が待っている。
なかなか、扉を開けない。
扉に手をかけて、
私はまた少しだけ泣いた。