snow flake〜罪な恋に落ちて〜
Ⅰ―夜明―――――
一週間の休養を経て、仕事に復帰した。
体調は万全ではないけれど、
病気ではなかった為に、いつまでも休むわけにはいかなかった。
私の心だけはあの日に置き去りのまま。
今日まで、時間だけが過ぎていった。
変わった様子のないオフィス。
静けさの中に独特の緊張感が漂う。
ひどく、懐かしく思えた。
デスクに向かう間、
他部署の人々も含めみんな、久しぶりの顔に声をかけてくれる。
壊れ物を扱うように。
中には『まだ若いんだから、次があるよ』と言う人まで。
(次か…、そんなものあるワケない)