snow flake〜罪な恋に落ちて〜
(分かった)
と、視線で私に了解を伝える顔は何かを言いたげで、でも言えない。
そんな複雑な表情をしていた。
私も視線だけで伝える。
(何?)
男は、点滴の刺さる私の腕を一瞥し口を開いた。
「手術、成功だって。入院は必要ないらしい。姫璃が落ち着いたら帰ってもいいみたいだから」
言いたい事を言った筈なのに、男はさらに複雑な表情を浮かべた。
目線を下げ、床の一点を見つめている。
「…そう。」