snow flake〜罪な恋に落ちて〜
泡だらけの手を洗い、キッチンを出る。
樹に気付かれないように小さく溜め息をついた。
仕事で何かあった時の樹はいつもこうだ。
捌け口がないのか、全て私にぶつける。
前までは嬉しかったし、自分が唯一の存在である事を実感できる瞬間だった。
でも、今は違う。
あれからも、何一つ変わらない樹に違和感を覚えた。
うまくは言えないけど、
私の中で歯車が噛み合わない。
それでも、私のカラダは覚えてる。
分かってる。
何をされるかも。
何を求められるかも。
どうなってしまうかも。
結局、アナタに溺れてしまう弱いワタシ。
開け放たれた寝室。
ドアの前に立つ。