snow flake〜罪な恋に落ちて〜
2人しかいない静かな部屋にはかすれた、でもはっきりとした私の声が響いた。
応えた私に、男は少しだけ驚いた顔をした。
まるで、私が返事などしないと思ってたように。
もちろん、私は応えるつもりもなければ、声を発したいとも思わなかった。
たったの2文字の言葉なのに、返事をした自分に驚いた。
罪を認めるようで、犯した過ちを当たり前のように受け止めたくはなかった。
応えてしまえば、それを肯定するようで怖かった。
¨―――コンコンッ¨
扉を叩く音がして、
「…はい」
握っていた私の手を離し、男が応える。
続いて、神経質そうな顔をした女性が扉を開けて入ってきた。
その女性をみて、私は今更思う。
ココが病院である事を。
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