snow flake〜罪な恋に落ちて〜
樹の唇に私と同じ真紅の華が咲いた。
じわりと滲み、雫となって
落下した。
唇を拭い、今度こそ本気であるこそを示すようにきつく抱き留められる。
今度は一切抵抗しない。
ううん、
しないんじゃない。
できないんだ。
彼の唇に滲む紅が余りにも綺麗で、
彼の白い肌に嫉妬した。
落下する一雫を目で追う。
スローモーションみたいに鮮明に覚えてる。
床に同じ真紅の華が咲いた。
その時、残ったわずかな理性はまた崩壊した。
唇が触れる距離で囁く。
「…痛かった?ごめんね」
私は自ら
惹き寄せられるように。
彼に唇を重ねる。
深く、
深く。
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