snow flake〜罪な恋に落ちて〜
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―――――!!

「無理ッッツ!わ、私帰る。伊織一人で行ってよ」

イヤイヤと首を振る。

逃げ腰で、体半分向きを変える私とは対象的に伊織は艶っぽい笑顔で私に言う。

「だーめッ。もぅ、オーナーにも連れてくるって話しちゃった(笑)」

腕を掴んで離さない。
有無を言わさない伊織の態度。

「それに、姫が来てくれないと私1人になっちゃうよ…」

不安そうに睫を揺らす。

(…うーん、、伊織1人には出来ないし…。変な虫付いたら困るなぁ…)


「ぅぅぅー。そう言われるとなぁ〜…」

元々は私の為を思って連れてきてくれたわけで、無碍に断るなんてできるわけない。

「ね、1時間だけだから、行こ?」

誰が見たって見惚れるような極上スマイルを向けられたら、

「…じゃぁ、少しだけだよ?」

そう頷くしかなかった。
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