snow flake〜罪な恋に落ちて〜



「あの…、ぼーっとしてすいません。こーゆうトコ遊びに来るの初めてで…」

語尾が弱くなってしまい、小さく頭を下げてみた。

「いや、気にしないで下さい。今夜は楽しく飲みましょう」

オーナーさんはそう言って、優雅に微笑んでくれた。
次に手を上げると数名のホストがテーブルの前に集まる。

みんな、綺麗に盛られた髪。

センスの良いスーツを着こなし、一様に整った顔立ち。

(…うわぁ〜。レベル高ッ)

1人頭の中で突っ込んでみる。

「さぁ、姫!!今夜は飲むぞーー」

伊織が言うとシャンパングラスに金色の液体が満たされた。


小さな泡が¨シュワシュワ¨と弾ける。

大好きなVeuve-Clicquot(ヴーヴ・クリコ)のシャンパンに心が踊る。



後から聞いたら、伊織が事前に言ってくれらしい。
心遣いが嬉しく、泣きそうになったのは伊織には秘密。


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