snow flake〜罪な恋に落ちて〜
一言断りを入れ伊織の左隣にオーナーさんが座った。
集まったホストは10名以上。
それぞれのフルートグラス(シャンパングラス)にも金色の液体が満たされる。
落とした証明の淡い光を受けてキラキラと輝く。
(キレー)
思わず見とれてしまう。
私を現実に引き戻したのは、少年ぽさの残る柔らかい声だった。
「…初めまして、お姫様。椿と言います。ご一緒しても良いですか?」
顔を上げて目が合う。
(ぅわッ。綺麗な顔。睫長いし…てか、脚長すぎだよ…)
椿の容姿に1人でまた突っ込みを入れてみる。
「―――ひめ?ひぃ〜めッ!!」
「…ひゃぁッ…え、あ…」
顔を覗かれ、頬をつっつかれた。
変な声が出てしまい両手で口を抑えるも遅かった。
一瞬の静寂の後、笑声が響いたのは言うまでもない。