snow flake〜罪な恋に落ちて〜
「琥珀、ありがとう!!」
伊織がオーナーさんにそう声をかけた。
オーナーさんも笑顔を浮かべ、応える。
その様子に思わずグラスを落としそうになる私。
(ぇッ…ぇええ〜〜!!)
伊織に目線を向けると含みのある小さな声で教えてくれた。
オーナーさん=№1=琥珀=伊織の彼氏
ぅん。
よく考えれば分かる事かもしれないし、伊織とオーナーさんの様子を見れば確かに“お客様とホスト”という雰囲気を超えた親密さがあった。
私が今ココに居るのも当たり前のように納得できてしまう。
伊織は『黙っててごめんね』と、謝る。
その顔は悪いと思ってる風でもなくて半ば呆れてしまうくらいだった。
でも、嬉しかった。
私の為とはいえ、たくさん気を遣わせてしまったから。
伊織が嬉しそうに、女の子の顔をしてる。
伊織はあまりプライベートな事を話さない。
ホストと付き合うにはたくさんの障害がある。
きっと中々会えないから、今日の時間は伊織にとっても大切なものなんだろうな…
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