snow flake〜罪な恋に落ちて〜
Ⅳ―親友―――――
事の始まりは3日前に遡る。
________。。。
重い体を引きずるように出社して、いつものようにデスクにつく。
私の席は広いフロアの窓際。
21階のオフィスとあってとても眺めが良い。
けど今の私にとっては澄み渡る空も恨めしく思ってしまう対象でしかない。
―――――重症だ。
香ばしい香りと共に伊織がやってきた。
デスクに入れたてのコーヒーをおいてくれる。
「おはよ!顔色悪いけど…、大丈夫?」
気遣うように声をかけられた。
「うん、大丈夫。ちょっと寝不足なだけ…伊織、今日の昼…」
私の言葉にすぐに察してくれる。
ランチの約束をして私達はそれぞれ自分の仕事に就いた。
ただ、私の気持ちはまったく別のトコにあって。
(伊織になんて話そう…)
打ち明けると決めたのに、なかなか心がついていけない。
伊織にもなんて思われるか怖かった。