snow flake〜罪な恋に落ちて〜
――――ッッ―!!
視界が歪む。
点滴跡の残る腕で強く、強く布団を握る。
鈍痛を感じて、
初めて“1人”になったと実感した。
私には、泣く事なんて許されない。
布団を握る手が白くなり、点滴を指していた箇所から血が滲む。
突然、温かいものが触れた。
それは、私と罪を犯した男の、紛れもない“涙”だった。
男はゆっくりほどいた私の手を、先程と同じように重ねた。
―――私の頬に一筋の涙が伝った。
一度溢れ出した涙は止める術がなかった。
堰を切ったようにこぼれ落ちる涙。
私は精一杯声を殺し、
ただ真っ白い天井を見つめた。
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