snow flake〜罪な恋に落ちて〜



数秒の沈黙の後…


「ごめんッッ!!本当にごめんなさい。俺、最悪だぁ…ホスト失格……」


謝ったかと思ったら、組んだ長い脚の上できつく握られる手。

みんなから注がれる視線を拒むように、
伏せた横顔。

隙間から覗く薄茶色の憂いを帯びた瞳。


どんな姿も様になる椿はホストになる為に生まれてきたような人に見える。


それくらい、何をしても美しいと思えた。


ただ、ホストにとって、お客様の名前を覚えてないのは致命的なミス。

他の仕事でももちろんだけど、ココは女性相手の場。
細かい所が指名数に関わる為、絶対にあってはならない事。

椿はそれを分かってるから、落ち込むのも無理はない。


でも、椿の指名客でもないし、そんなの気にしないのが私の性格。
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