snow flake〜罪な恋に落ちて〜

枕にシミを作り消える涙のように、

私も共に消えてなくなりたかった。



心の中で幾度となく唱えた。





“ごめんなさい”




枕に沈む涙に、私自身が海に沈むような錯覚を覚える。


握られた手の温かさが、現実を知らせるのにも関わらず。


私は自ら、海の底へと意識を手放した。


夕闇が迫る部屋には、




「ごめんなさい」


と、私のつぶやきが溶けた。


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