snow flake〜罪な恋に落ちて〜

｢やっと笑ってくれた！良かった〜｣

椿の笑顔に自然と口をついて出る言葉。

彼の笑顔は今まで私がみてきた大人の笑顔とは明らかに違った。


計算とか、打算的な事を一切感じさせない。

だからだろうか…？


こんな素直な気持ちで居れるのは久々だった。

樹とも会社の男性とも違う。

まっすぐって言葉が似合う椿。




けれど、椿の不思議発言はこれで終わらなかった。



今度は、

｢琥珀さん、俺、これからお客様の呼び方変えてもいいですか？｣


そう言う椿は伺うようだけど、自分の中では決めているような口調だった。

琥珀さんは目だけで真意を問う。

私も椿がなんでまたそんな話をするのか、掴めない。


琥珀さんの視線に椿ははっきり言った。


『姫璃ﾁｬﾝの事、他のお客様と一緒にしたくないので』




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